湧く思いが育むチカラ
子供たちの天賦の才能「天才」を拓く、大阪・梅田の学童保育「なるには學問堂」の絵本おはなしプログラムでは、絵本からのワクワクする体験のなかで感性を磨き、知識を感じ取っていきます。
それゆえ、知識は単なる「お勉強」の知識ではなく、表現の衝動となり、実際にアウトプットされることで点数では図れない智慧、活力、その他さまざまなチカラを育んでゆきます。
その確信を深めてくれたのは、ほかでもない「なるには」の子供たちでもあります。
「科学」という大テーマのもと「宇宙・地球」の絵本を何冊か読んだときのこと。
『地球と宇宙のおはなし』で、太陽や地球、月、惑星や彗星について見たあと、『このよでいちばんはやいのは』で、地球の自転速度がジェット機よりも速い、地球が太陽のまわりを回る公転速度はもっともっと速い、と知ってびっくり。ちょっとそれを感じてみることにしました。
いったいどんなことなのか想像もできない。
それをあえて感じてみる。
そんなことも子供たちの感性を磨き、それこそ想像もできない部分に働きかけてくれるにちがいありません。
その後、『地球のかたちを哲学する』を一緒に見ていきました。
時代を問わず、「地球は丸くてこうなっている」と知る前の人々は地球の形をどんなものと思っていた(いる)のか。
しかけの部分もある見ごたえのある絵本です。
「哲学する」というのは、そのことについてじっくりと考えてみること。
そんなことも伝えながら見ていきます。
とぐろを巻いたヘビの上でバランスをとっている大地、巨大な魚の上の卵の上の水牛の上にある大地、いやいや、大地の下には太~い柱が3本……。
はたまた、海の中にももうひとつの大地、地中にはトンネルがある、世界は三角形、長方形、まるい天井のある正方形、六角形、十字型、円形だけど植木鉢みたいな世界、お椀を伏せた形、洋ナシ形、球体だけど地球の中にも世界がある、などなど。
発想の数だけさまざまな地球があります。
見終わったとき、Aくん、ひとこと。「紙をちょうだい!」
そして、「ぼくが、地球は今のような形と知らなかったとしたら……」と、自分の宇宙や地球を描きはじめました。説明をしながら。
絵本に刺激されて湧き出た発想をすぐに絵に描き、言葉で説明する。
これは「与えられた知識を暗記して、覚えたかどうかのテストなどに表す」ことではなく、「知識に刺激されて生まれた発想を、自分のなかから湧いてきた“表現したい”という思いのもとに表す」ということ。
子供たちがいろいろなことを吸収し、それぞれの夢を叶えるには、この「湧いてくる思い」と、その表現が最大のチカラとなります。
さらには、同時に表現力、プレゼン力、日本語の能力もアップしていきます。
忙しい毎日のなかでついつい後回しにされがちな、そんな部分を「なるには」ではますます大切にしていこうと思った出来事でした。
土曜日コースも始まり、子供たちとのやりとりがさらに楽しみになってきました。
右端の絵がAくんの描いてくれた絵です。
その他、絵本詳細は以下のとおり。
- 『地球と宇宙のおはなし』(チョン・チャンフン/分、山福朱実/絵、おおたけきよみ/訳、講談社/刊)
- 『このよでいちばんはやいのは』(ロバート・フローマン/原作、天野祐吉/翻案、あべ弘士/絵、福音館書店/刊)
- 『地球のかたちを哲学する』(ギョーム・デュプラ/作、博多かおる/訳、西村書店/刊)